Tweiiter of Hocuspocus_Mage The Starry Abode

カルロス・カスタネダは「いただきます」と言うか?

「自分が生きるために日々奪う命たちに感謝を捧げる」という貴兄の考えに対して、私はそれは「仏教と日本的な感性が結びついた宗教的世界観」だと述べました。
しかし貴兄によればそれは「カルロス・カスタネダの一連の著作に見られる呪術師の世界観を念頭において書いたもの」であり「西欧と東洋にしか魔術がないと思ってたら大間違い」とのこと。はあ、そうですか。
しかし、それでは貴方の主張する考えが魔術の基本である事の証拠にはなっていませんよ。西洋と東洋は違う、という事だけで普遍的な考えでないとは言えますけどね。あと、宗教って特定の神仏を基地外みたいに信じることだけじゃないんですよ。何かを尊いものと見なす事によって生じる世界観・価値観、それによって生じる文化・習慣、そういったものを全部ひっくるめて宗教なんです。日本人の多くは生まれた時から日本文化の中で多神教的感覚にどっぷり浸かっているんでそれが宗教的でない普通の感覚だと思いがちですけど、一神教の西洋人から見れば充分に異教的です*1
それにカスタネダの本に載っているのは(日本人の宗教観の源流の一つである)アミニズム*2ですからかなり近いモノがあるのでしょう。
しかし、カスタネダは全部読んだ訳じゃないんで理解不足かもしれないですが、カスタネダの本の肝は寧ろ、世界に偏在するそれぞれの命を認識しつつも、仲良くなり過ぎず情に流されず囚われたりしないクールさにあると思うのですが*3。戦士はクールでなければね。
物事に囚われない、というのはエリファス・レヴィも魔術の基本として挙げていたので、単なる生き死にに囚われないクールさが魔術の基本、だという事であれば同意は出来るのですが・・・

*1:判らない人は小泉八雲でも読んでみて下さい。

*2:本当にヤキ・インディアンの呪術ならば同じモンゴル人種のアミニズムなのかもしれませんね。

*3:ここに書いてある蝸牛のエピソードを見ると、単純に「可哀想だから命を守る」というような考え方はしていないように思えますけど・・・ http://mm.1webart.com/MM_BackNoDetail.cfm?u=Echan&mg=2&m=19&r=372&md=2006/05/25