Tweiiter of Hocuspocus_Mage The Starry Abode

How to watch a MOE vision according to the western iconology. (... and lose your money.)

前座が終わってようやく真打ちの江口氏登場。外は茹だるような暑さにもかかわらず灰色のスーツの下にベストを纏ったダンディな姿。流石は英国紳士・・・日本人だけど。ご自身のWebページ*1の文体そのままのユーモアと毒舌で聴衆はあっという間に笑いの渦に巻き込まれる。ツカミはバッチリ!流石である。
内容は、何れご本人のページにレポートが載るそうなので正しい情報が欲しい方はそちらを楽しみに待っていてください*2
以下、江口氏の講演内容についての私の感想と疑問点:

  1. フランシスコ会が担ぎ出した『少女マリア』の絵は、全世界のエノキアン魔術師のアイドル、マディミたんからシェークスピア作品のヒロインのキャラ同人誌や『アリス』に至る西洋(魔法)少女萌え文化の元祖、との事。では『少女マリア』の元ネタになった文化の流れは?
  2. 少女の絵のカレンダーがあれば魔術は出来る・・・なるほど。少女の象徴と時節の流れに則ったヴィジョンを見る事によって『キア』を得る訳ですか。時計を使って、というのは「一日の流れと太陽の位置」が関係しているのじゃないかと思うけどイマイチぴんと来ない。
  3. 最後の質疑応答の中で「上記のようなビジョンを漫画やアニメで得る事が出来るのか?」という問い*3に対して「向かない絵もある。図像学を勉強すればヴィジョンに向いている絵とそうでない絵が判る。」との回答。向かない絵がある、というのは確かにその通り。でも、江口氏が経験したのと同じようなヴィジョンを得るためなら同じように何百万も散財して資料を集めなければいけないかもしれないが、絵からヴィジョンを得る人は皆図像学を研究している訳じゃない。ある比較的簡単で明確な条件がある。帰ってから『びんちょうタン』のヴィジョンを試してみたが問題なく出来た。これについては後日別エントリを書くかもしれない。
  4. 江口氏の定義する所の魔術はヴィジョン方面に偏り過ぎじゃないかな〜?魔術の大きな一分野ではあるけどそれが全てとは言い難いと思うが・・・。もちろん江口氏にとっての魔術がそうであることに異論を挟む気は無い。

それにしても会場には純真そうな若い人が多かった。私のようなオッサンは最早年寄りの部類に入るのだろう。最後に、いい歳して魔術から卒業できなかった馬鹿者が老婆心から若者達にアドバイス*4
上記のヴィジョンの話もそうだが、江口氏が何百万も散財したとか○○についての本を全て研究すればとか無茶な事を言う時は、「流石、江口先生は凄い!とても真似できない・・・」などと変に恐れ入らない事。そういうのは○○○の繰り言と思って話半分にスルーしつつツッコミのポイントを探すべし。そういう発言が出るということは恐らく江口氏自身がかなり苦労した部分であり、苦労の末に簡単に言葉に出来ない*5モノを得た或いは得られるかもしれない、と思っている可能性が高い。貴方がたの未来はそこにある・・・かもしれない。

*1: O∴H∴西洋魔術博物館:http://www7.ocn.ne.jp/%7Eelfindog/ ・・・説明の必要もないが念のため。

*2:レポート掲載されました。 http://www7.ocn.ne.jp/%7Eelfindog/holylady.htm

*3:ちなみに質問者は私ではありません。私だったらもうちょっとマニアックな質問をしてます。

*4:どうせ若い人は誰も見ていないだろうけど・・・

*5:或いは、簡単に言葉にしたくない、のかなあ・・・『魔術は英語の家庭教師』の中で「後輩にも同じ辛酸を嘗めさせてやる」と書いていた頃より表現がマイルドになっただけかも。後輩を甘やかさず厳しく育てるのはやはり教育者ですねえ。