Tweiiter of Hocuspocus_Mage The Starry Abode

魔術結社のビジネスモデル

FraterCS氏の本日のエントリ*1で知ったのだが、日本魔術界の大御所で実践の権威、魔術結社I∴O∴S∴*2の主宰者である秋端勉氏がblogを開設された。
早速悦び勇んでリンクをクリックして読んでみたが、正直微妙な内容・・・というか、前半部はあまりに酷くないだろうか?
大御所のblog参入は、多くの魔術ファンにとって、そして曲がりなりにも魔術についてのblogに駄文をタレ流している私にとっても、この上なく喜ばしい亊以外の何物でもない。出来ることなら「Blog開設おめでとうございます」と祝福のコメントを書きに逝きたい。
しかしながら、トラックバックを交わしながら勝手な論評をぶつけあうBlog本来の使いかたに則って失礼を承知で敢えて批判文を書かせていただく*3

>○ 「顧客のために努力するほど売れない。」
(中略)
> I∴O∴S∴の状況そのままではないか。
> 古き伝統の継承者だと主張し、「魔術の学問化」を標榜し(後略)
古き伝統の継承者はともかくとして、「魔術の学問化」を「顧客」として想定する魔術ファンの為の努力と今まで秋端氏は考えていらっしゃったのだろうか?これらは「売り手側の都合」以外の何物でもない。というよりも「売り手」が自らの矜持を保つための方便であり自らの質を高める為の方法論でもある。目先の売り上げに囚われてコストを下げるためにQC*4を止めるような事をお考えになっていらっしゃるのだろうか?
そもそも近年のI∴O∴S∴に「顧客のための努力」をした活動がどれだけあったのだろうか?私が色々な人から聞いた限りでは、GDF111以降、機関誌「ホルスの槍」は1冊刊行されたのみで、公開実行儀式の数も90年代前半と比べて激減し、儀式文書*5は非常にマニアックなアストラル儀式のシナリオばかりとか。「顧客のための努力」を全くと言って良い程していないのに、「顧客のために努力するほど売れない。」とは何事だろうか?
そもそもこれは、「顧客のための努力」以前の問題ではないだろうか?
日本魔術界の双璧たるもう1人の大御所で理論の権威である江口之隆*6はかつて「学校なら卒業者を出せ」と仰っていたそうだが、魔術結社あるいは魔術の学校として何を目的にし、「顧客」に何を提供して何をリターンとして得て存続して行くのかというビジネスモデルがそもそも不明確なのではないだろうか?卒業生の数を実績として魔術文化を広めるのか、結社の構成員を増やすのか、はてまた信者を集めて御布施を絞り取るのか、その辺から改めて考え直すべき事柄ではないだろうか?
そのための鍵は、恐らく後半部に挙げられている「対面」だろう。魔術の修業とはそもそも師匠と弟子との間の共同作業である。そして直接の人間関係だけが、人を孤独と怠惰と自己欺瞞と倦怠から救い出してくれるのだ。
と、「発言する素人」たる私は敢えて偉そうに意見を述べておこう。

*1:http://d.hatena.ne.jp/FraterCS/20050302

*2:http://www004.upp.so-net.ne.jp/akibba/

*3:元ネタのプレジデントを読んでいないので相当外しているかもしれないが・・・

*4:カバラ十字じゃなくて品質監理の方。

*5:http://www004.upp.so-net.ne.jp/akibba/IOSARCHV/IOSARCHV.html#season

*6:http://www7.ocn.ne.jp/%7Eelfindog/