Tweiiter of Hocuspocus_Mage The Starry Abode

後期ビートルズは18禁にすべき

恥ずかしながら、つい最近になって初めてビートルズの『ホワイトアルバム』を通して聴いた。
ヤバイ、ヤバ過ぎる!
小学校の音楽の教科書にビートルズが載っているそうだが、年端も行かない子供が学校の授業をきっかけにこんなアブナイものを聞いて人生誤ったらどうするんだ。
シモネタ系楽曲はまあ良い。おマセな子なら判るし楽しめる。
最大の問題は、やっぱり『レボリューション9』ですよ。奥さん。
この曲が「判らない」「退屈だから飛ばして聴く」という人は多分、極めてまともな人だ。この曲が「気持ち悪い」と思う人は、恐らく感受性の豊かな心優しい人なのだと思う。これらの清く正しい人たちは、この曲を無理して聴くよりは、もっと有意義なことの為に貴重な人生を使われることをお勧めしたい。
この曲を聴いて嵌る人、ご愁傷様です。貴方の人生の辞書に『幸福』の二文字は、少なくとも世間で言われている意味では、存在しません。貴方のその後の人生は、見果てぬ幸せを求めて彷徨うとか、貴方の理想の世界を求めて現世を破壊する道を歩むとか、そういう正道を外れた道を歩む事に費やされるでしょう。作者のジョンの人生がそうであったように。
えっ?「教科書に出てる曲のほとんどはポールの曲だから大丈夫」だって?
そういう人は、未来への希望に目を輝かせた小学生に『ヘルター・スケルター』を聴いたチャールズ・マンソンシャロン・テート他の多くの人々を惨殺するようになったエピソードについても、是非、熱く語ってあげてほしい。
とにかく、この時期のビートルズのメンバーの精神状態はヤバイ。『ホワイトアルバム』、そしてアーティスティックであるが故にヤバイ面が直接的に表現されてるその他の後期ビートルズの作品は、ある程度分別がついて自分で責任の取れる年齢になってから聴くべき危険な作品である。よって、まとめて18歳未満禁止にすべきである。*1
というか、そういう態度で接する事がビートルズの音楽に対する真摯なリスペクトではないだろうか。公教育でビートルズを紹介する事は、そういう彼らの作品のアブナイ面に目を瞑って彼らを矮小化しているように思える*2
魔術を含めたオカルトの世界には『レボリューション9』に嵌るような、ある意味「壊れた」人達が引き寄せられる。『ホワイトアルバム』の『セクシー・セディ』でマハリシ・ヨギへの失望を歌った*3ジョンが、その後も『イマジン』で神の居ない世界を歌いつつ、オカルトにどっぷり浸かった生活をしていたのは有名な話だ。
個人的な体験から言えば、良質なオカルト修行には、恐らく、上記のような『この世』に対する絶望の原因である、その人独自の感受性を巧くコントロールし、それに基づいた人生経験を上手に整理して『この世』との折り合いをつけさせる効果があるのだと思う。ただし、オカルトの世界は結局は個性の世界なので、自分にピッタリと合った方法論や師匠を見つける事自体がかなり困難である。
それ故、オカルトの世界に引き寄せられる人達は、ひたすら己の救いとなるものを求めて死ぬまで彷徨う。既存の方法論や師匠が、単に己の内面にある『鍵』を開けるための参考書に過ぎないと気がついた幸運な人達を除いて・・・

*1:『ア・デイ・イン・ザ・ライフ』とかも結構ヤバイと思う。

*2:例えば下記のページの6人目の論者は、学校教育における伝統的なジェンダー論が「ビートルズ・ナンバーを選別(去勢:effeminate)してしまっているのではないか?」という問題点を提起している。http://camp.ff.tku.ac.jp/yamada-ken/Y-KEN/ex-files/pmaj99s.html

*3:ビートルズのメンバーやミア・ファローがインドのマハリシ・ヨギの所に修行に行ったが、結局彼らは信者にならずに英国に帰ってきた。その理由については「世俗的なマハリシに彼らが失望した」とか「彼らが道場に麻薬を持ち込んだのでマハリシに追い出された。」など諸説ある。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%BB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC