Tweiiter of Hocuspocus_Mage The Starry Abode

逆精進潔斎のススメ

魔術儀式の前の手洗い・沐浴は特殊な儀式で無い限りはほぼ常識と言って良いだろう。清潔感は清浄な感じを得る上で重要な要素だ。
また、儀式前の2,3時間前からの絶食あるいは最低でも重い食事を摂らない事も常識と言って良いだろう。胃に負担が掛かっていると感覚が鈍くなるし、脳に行く血流が減るからだ。アルコールも前日から抜いておいた方が良い。
更に生活動作や食事などのあらゆる要素について、感覚を研ぎ澄まし精神を平静に保つように徹底的に準備を行うと、所謂『精進潔斎』、お寺で修行するような禁欲生活になる。
では魔術にも禁欲生活が必要かというと、一概にはそうとは言えない。性魔術では、当然の事ながら、禁欲『だけ』では肝心の作業が出来ないし、場合によっては媚薬を使ったりする。禁欲は術の効果を高める為の手段の一つに過ぎず、術の目的に合わせて適度に行うべきなのである。
また長時間の儀式を、特に冬場に行う際には、断食した状態ではかなり辛い。適度なエネルギー補給が必要であろう。
私の最近の実践例を以下に記す。
プラ−ナをかなり消耗する作業を行おうとしていたのだが、問題が生じていた。初夏の頃に準備作業を行っていた時にはあまり問題は無かったのだが、夏バテの所為で十分な量のプラーナを生成出来ない状態が秋口までずっと続いていたのだ。問題の作業は、実施すると翌日にどーんと疲労感が沸いてくる位消耗するものなので、無理して実施しても結局はエネルギー不足で中断せざるを得なくなる。
夏バテのせいだけでなく、春に人間ドックに行ったときに『脂肪肝』と言われたので減量していた事もそれに拍車をかけていた。若い頃ならこんな事はなかったのだが・・・ピザ中年は辛いね。
「このままでは禁欲してエネルギーを溜めようとしてもジリ貧になるだけ」と判断した私は、精進潔斎とは逆の事を行う事にした。方針は以下の通り。

  • 精力の付くモノを積極的に摂る。特に肉、魚などの動物性蛋白質を中心の食事にし、併せてご飯、とろろ、ニンニクなどの「精力の付く」食品を多く摂る。
  • 直接生殖器を刺激しない作業なので、体内に溜まる蛋白質アミノ酸)やミネラル類を適度に排出し、且つ、所謂『疲れマラ』の解消および性腺の活性化の為に、作業日の前日〜作業時間の間を避けて自慰行為をスケジューリングする。頻度は通常よりも多めに行う。
  • 肉類が多くなった所為で便秘にならぬように食物繊維を多く摂る一方で、利尿効果のあるビールを食欲増進と入眠の為に作業日の前日〜作業時間を外して晩酌に呑む。
  • 出来るだけ体を動かして余剰カロリーの消費と新陳代謝の促進を図る。

その結果、最初の作業を行った後でガス欠を起こしかけて風邪をひいたが、その後は鼻水を垂らしながらも精力をハイレベルで維持する事ができ、必要なプラーナを十分に確保することが出来た。また、自律神経が活性化されたせいか、気力も充実して非常に前向きな意識を保ったまま作業を行う事が出来た。
とはいえ、この手の話は実践する人の体質等に依存する部分が大きい。今回の方法は胃腸がそこそこ丈夫で且つ糖尿病や高血圧のリスクの無い人向きの方法である。試してみたい方は、自分の体と良く相談しながら自己責任で実施していただきたい。