Qabalistic Ritual
I∴O∴S∴さんの機関誌「ホルスの槍」に投稿しようと思って訳しかけて数年間放置していた「Qabalistic Ritual」(Dolores Ashcroft-Nowicki著)の訳を完成させました。
とはいえ、「ホルスの槍」はもう何年も出ていないので投稿するアテがありません。おまけに原著作者からの配布許可は得ていないのでインターネット上での公開は無理。閲覧希望者は私までメール願います。ただしHocuspocus名義以外、および職場以外のメールアドレスにお願いします。*1
該当の文書はThe Golden Dawn Journal: Book 2 Qabalah (Llewellyn Publications, 1994) pp. 377-391の翻訳です。流石に著者はSOLの学習主任だけあって、前半部分は実践魔術の修行者必読。著者の歴史認識には異論も多いでしょうが*2、魔術入門書レベルでは載っていないけれども儀式魔術の実践に不可欠な事柄が書いてあります。特に神の姿形(Godform)の土台としてのシャブティ(Shabti)*3の記述は必読です。
後半は、タイトルにもなっているカバラ式儀礼の例示、マラキムの儀式。著者がSOLの人なので奉仕(Service)という言葉が多用されており、私のような邪悪な人間が読むと背中がむず痒く感じるような霊障を受けます。更に「母なるガイア云々」みたいな自然万歳のエコ寄りの文章に起因する霊障によって、こっぱずかしくなって赤面してしまうのです。しかし、この儀式文書は、邪悪な魔法使いを退ける言霊に満ちているのだけでなく、儀式自体は非常にシンプルではありますが、もの凄く高度なカバラ理論に基づいて書かれています。何故、女性的性質を持つ『ヘー』を表すのが『火;南』の男性的天使であり、男性的性質を持つ『ヴァウ』を表すのが『水;西』の女性的天使なのか、黒魔術師であっても霊障に耐えて研究する価値は充分にあるでしょう。
原著が出たのは17,8年前なので、現在は古書以外では入手しにくくなっています。しかし、真剣に儀式魔術の研究をしたいのならば、入手すべき文書だと思います。*4
The Golden Dawn Journal: Book 2 Qabalah : Theory and Magic (Llewellyn's Golden Dawn)
- 作者: Chic Cicero,Sandra Tabatha Cicero
- 出版社/メーカー: Llewellyn Worldwide Ltd
- 発売日: 1994/12/01
- メディア: ペーパーバック
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