Tweiiter of Hocuspocus_Mage The Starry Abode

雑記

『喪男の哲学史』本田透著;講談社 *1

これまで偉大な哲学者の誰が結婚したか。(略)彼らは結婚しなかった。のみならず、彼らが結婚した場合を考えることすらできない。結婚した哲学者は喜劇物だ−これが私の教条である。*1 上記のニーチェ先生の血の出る様な咆吼からも判る様に、哲学とは本来モ…

『ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する』スティーヴン・レヴィット&スティーヴン・ダブナー著;東洋経済新報社*2

スポーツや犯罪や教育など様々な事に関する一般世間の『常識』について、経済学的手法でその真偽を解き明かしていこうとする本である。 多くの議論を喚起した犯罪の発生件数と妊娠中絶合法化との関係*1などは『命の重さ』について考える上で興味深い題材であ…

祭りの余韻

先日は私が住んでいる地方の秋祭りの日だったらしく、市内のあちこちで祭りが行われていた。私の住居の近くにも御輿がやってきていたが、怠け者の私は窓から見ていただけだった。 でも、熱気が町を巡っている事は感じられた。 遅い昼食を取りに出かけると、…

政=祭り事

最近2ちゃんの魔術スレッドを読んで思った事を、10/9のエントリに書こうと思って書きそびれた事を交えて書こう。あんまり個人批判めいた真似はしたくないので出来るだけ一般論として述べたいと思う。個人ではなく日本人の政治的傾向みたいな一般論で。 2ち…

『インターネットの法と慣習 かなり奇妙な法学入門』白田秀彰著、ソフトバンク新書*3

情報時代の法律と著作権についての研究の第一人者がHotwired上にWeb連載した文章をまとめたもの。法律についての国毎の基本的考え方の違いから説明してくれるので非常に判り易いのだが・・・日本では、 一度決まった法律は、それを覆す法律が出ない限り変更…

『サルでも描けるまんが教室 21世紀愛蔵版 上下巻』相原コージ&竹熊健太郎著;小学館

言わずと知れた、1980年代後半から1990年代前半のビッグコミックスピリッツ黄金期に連載された不朽の名作。通称サルまん*1。漫画の描き方入門の体裁を取ってはいるものの、単にそれに止まらない、空前絶後の漫画創作論であり漫画業界批評でもあるギャグマン…

理想の死に方

さて蟻よりもささやかな抵抗しか出来ず黒沢よりも寂しい歳男となることが既に決定している私にとって、黒沢の最終回のような綺麗な人生の終わり方は望むべくもない。だが、この最終回を読んで、私にもちょっとは足掻こうとする気持ちが芽生えてきたようだ。 …

黒沢追悼文

ビッグコミックオリジナルで連載されていた『最強伝説黒沢』(福本伸行著)の連載が終了した。終わり方には賛否両論あるようだが、私は下記の言葉をもって主人公黒沢への手向けとしよう。 ああ!汝の死は美しきものとならん。それを見る者は誰でも、嬉しさを…

呪いのビデオ

明日の24:00までに「ビルコレさん、新色のニンテンドーDS Lite欲しい!」と書くとニンテンドー『DS Lite』が当たるかもしれないそうだ。 明日の24:00までに「Askビデオさん、動画デジカメ欲しい!」動画デジカメ『ザクティ DMX-C6』が当たるかもしれないそう…

『「みんなの意見」は案外正しい』J.スロウィッキー著:角川書店*4

この本の題名はインチキだ!JAROに訴えろ!!! この本の内容は『「みんなの意見」は案外正しい』なんてものじゃない!『案外正しい』どころか『一番正しい』というものだ・・・ただし条件付きで。 この本によれば、集団の各構成員が、多様な考えを持ち(『…

まくのうちびんちょう あったかごはん味 〜びんちょうタン 公式手引きの書〜:江草天仁監修:マッグガーデン*5

江口氏講演関連ついでに書いておく。 先日書いたヴィジョンの話で題材に取り上げようと思っていたのが『びんちょうタン』なのであるが、それは私が小さな女の子が好み・・・だからではないぞ! 一中小企業のWebページに掲載されたマスコット・キャラクターが…

主催者にちょっと苦言

建物を見つけてエレベーターで上がってみると狭い廊下に人が一杯。階段の上下に溢れている。開場が10分位前。のろのろと進む行列の苦行を終えると待ちに待った会場が・・・あれ?こんなに狭いの?しかももう座る所無いじゃん。 聴衆の数を少なく予想したの…

『日本の思想』丸山真男著:岩波新書*6

今、この歳になってようやく、丸山真男の「日本の思想」を読んだ。 丸山によれば、日本人には古来より「自己を歴史的に位置づけるような中核あるいは座標軸にあたる思想的伝統は形成されなかった」との事。それ故、明治の為政者達は日本を近代国家として再編…

『うつうつひでお日記』吾妻ひでお著 角川書店*8

腐っても鯛、壊れても天才あじま先生である。 売れっ子漫画家であった全盛期から次第に『壊れて』いく過程を淡々と描いたストーリー漫画がベストセラーになった『失踪日記』ならば、こちらは『壊れた』後のリハビリの期間の日常を淡々と描いた日記漫画である…

閑話休題2 〜 妖精の人権

ところで嘗て自閉症の特徴として「魅力的で素敵な外観・外見をしている」という事が挙げられていたそうだ*1 。自閉症とはちょっと違うが、遺伝的要因による発達障害もある種の容貌と特殊な感覚を伴う事があるらしい。例えばウィリアムズ症候群はelfin-faceと…

閑話休題1 〜 自閉症と魔術と私

以前からアスペルガー症候群に興味があった。何せそこで語られている症状と自分が小さい頃から感じていることが非常に似ていたからだ。 先日、ふとFraterCSさんのエントリを見ると『自閉症』のリンクが貼ってあったので辿ってみると、『自閉症スペクトラム指…

『びんちょうタン 1巻』 江草天仁著 BLADE COMICS*7

2chの漫画板で評判だったので買ってみた。 「泣いた」とか書かれていたのが、予想とは違ってひたすら乾いた笑いを交えたストーリーが淡々と4コマ調で続いて行く。それを淡々と読んだ。 泣かなかった。いや泣けなかった。気が付くと、夕飯前で空腹の筈なのに…

オランダ妻はデンキウナギの夢を見るか?

とはいえ、正直イメージだけではちょっと物足りない。体感できる温もり、手触り、密着感が欲しい、と思うのは人情だ。 かといって、ホンモノの猫を飼うには色々と問題があるし、猫は何時も傍に居てくれるとは限らない。更に小さい頃から寝相が悪い事で定評が…

Sleepless

悶々悶々悶々悶々悶々悶々悶々悶々悶々悶々悶々悶々悶々悶々悶々悶々悶々悶々・・・眠れない。昔から寝付きが悪い。 「明日は早いからもう寝なければ・・・」「今日はもう遅いから仮眠を取って・・・」という時に限って、妙に頭の中が鮮明になる。眠気を感じ…

大変申し訳ありませんが・・・

「せっくす」をキーワードに検索されて当ページに流れ着いた皆様、このような辺鄙な所までようこそお越し下さり、恐悦至極に存じます。誠にお疲れ様でした。 残念ながら有益な情報はナニもございませんので、がっかりしてお帰り下さいますよう、お喜び申し上…

世界をよくする現代思想入門 ちくま新書 高田明典 著*9

久しぶりに良い本を読んだ。 最初の方で「サピア・ウォーフ仮説」があたかも真理かのように話を進めるので怪しい本かと思ったが、最後迄読むと結論にスムースに話をつなげる為の方便として上手く働いている事が判る*1。 この本は「現代思想は道具であり、哲…

拝啓錬金術師様

id:FraterCSさんの2月26日のダイアリー*1に対する「錬金術師」様のコメントへのコメント: 貴方様のコメントから、貴方様が日々真剣に、実験室の中で馬糞をこね回したり、財産をせっせと竈にくべて灰へと変換したりする御様子がありありと浮かんでまいり…

神のアップデート

もしもビル・ゲイツが「バグとセキュリティホールの無い完全なMS-Windowsは完成しているが、それが万が一違法コピーされると正規ユーザの皆さんを損させたり著作権侵害の犯罪に巻き込む危険がある。そこで敢えて不完全なバージョンをリリースし、何年かかけ…

人生で一つだけ信じて良い嘘

人生に於いて、たった一つだけ、たった一度だけ、信じて良い嘘がある。 それは、人生最後の時*1に信じる事。 「自分の一生は幸せだった」と。 その一つの大きな嘘を信じる為に、人は日々たくさんの小さな嘘を積み上げていく。 そして、それ故に、人は生きね…

山形センセイと拘束具

2/4のエントリにアクセスした人が辿ってきたリンクを見ると、はてなキーワードの山形浩生大センセイのお名前を辿ってやって来た人がダントツで多い。流石山形センセー!すげーぜ!!!同じくアンチの多い切込隊長と比べても2倍以上のアクセス数で圧勝だw…

タロット・カードは心を映す鏡

正直な話、占術はあまり得意じゃないし熱中する程好きな訳でも無い。リアル厨房の一時期にタロット占いにハマった事があるが今はもっぱらカードの絵を眺めて楽しむ事が殆どだ。 個人的な印象ではタロット占いが大幅に外れた事は無い。しかしタロットが無くて…

残酷なLOHASのテーゼ

最近『下流社会 新たな階層集団の出現 』*1という本を読んだが、それによると成人男性は大まかに『ヤングエグゼクティブ系』『ロハス系』『SPA!系』『フリーター系』の4つに分類出来るとか*2。詳細は省くが、年収とか社会的地位は兎も角としてこれら4つの…

『萌える男』本田透著:ちくま新書*3

エンターテイメントの色が濃かった本書の著者の処女作エッセイ『電波男』をより一般向けにややフォーマルに書き直したものである。 『電波男』/『萌える男』の内容自体は、著者自身が書いているように昔からの文学*1の流れに沿ったモノであり、色々な所で論…

『道徳の系譜』*1/『善悪の彼岸』*2;F.W.ニーチェ著、木場深定訳:岩波文庫

ニーチェの思想については以前に『キリスト教は邪教です』の書評*1で言及したのでここでは繰り返さない。しかし『道徳の系譜』のオチを読んだ時は思わず唸ってしまった。神を殺したのは、当に同情や平等の名の下に強者を引きずり下ろすキリスト教精神そのも…

せっくすの日の魔術修行

明日の夜から明後日の朝にかけては、国民的行事であるせっくすの日である。 男女のカップルが将来の子孫繁栄を願ってせっくすをし、子供達が居る家庭ではせっくすによって生まれて来た事を祝ってケーキを食べたりプレゼントを渡したりするのが習わしである。…